国際連合地域開発センター(UNCRD)は、インド住宅都市省(ラジャスタン州政府およびジャイプール市政府が協力)、日本国環境省、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)との共催で、「アジア太平洋3R・循環経済推進フォーラム第12回会合」を開催しました。本フォーラムには、アジア太平洋地域の政府代表者、国連・国際機関、研究機関、NGO、民間企業を含む37ヵ国から1,500名以上が参加しました。
本フォーラムはインド住宅都市大臣による開会の下、全体テーマ「アジア太平洋地域におけるSDGsとカーボン・ニュートラルの達成に向けた循環型社会の実現」に沿って、3R・循環経済に関する各国の閣僚級声明や政策等の発表の他、4つのトピック(「3Rと循環経済 - 強靭で低炭素な持続可能な都市とコミュニティを目指して」、「循環経済政策 -グローバルビジョンのローカルアクションへの反映」、「自然を活用したソリューション(NbS)と循環経済」、「循環型社会に向けた中小企業のグリーン化、官民連携の役割」)について発表やパネルディスカッションが行われました。
さらに、本フォーラムでは2013年に採択されたハノイ3R宣言(2013-2023)」の後継文書となる「3R・循環経済に関するジャイプール宣言~アジア太平洋地域における資源効率的でクリーンかつ強靭で健全な物質循環と低炭素社会の実現に向けた持続可能な3R・循環経済目標(2025-2035)」が採択されました。この宣言は13の目標を掲げ、今後10年間でアジア太平洋諸国が持続可能な開発目標(SDGs)、パリ協定、ニューアーバンアジェンダ等の国際的な目標に沿って循環経済を推進するための指針や枠組みを示しています。フォーラム参加国はジャイプール宣言を通じて、資源を大量に消費する直線型経済から再生可能な循環型経済へ移行するための自発的なコミットメントを示しました。
日本からは浅尾環境大臣が開会挨拶(ビデオメッセージ)を述べた他、中央環境審議会循環型社会部会部会長の酒井氏が基調講演、自治体(オンラインにて座間市、北九州市、堺市、上士幌町、大崎市)が発表を行うとともに、環境省が2つのサイドイベントを開催しました。また、日本の民間企業が展示ブースを設けました。閉会セッションでは環境省地球環境審議官の松澤氏が閉会挨拶を述べ、ジャイプール宣言の意義や重要性について強調しました。 今後UNCRDはジャイプール宣言(2025-2035)の目標に沿ってフォーラム参加国におけるキャパシティビルディング等の実践を支援するため、国際機関、研究機関、NGO、民間企業等と連携をさらに進めていきます。
また、本フォーラムでは「アジア太平洋3R白書第2版」が発表されました。
なお、発表資料等を含むフォーラムの詳細は、フォーラムのサイト(英語)をご覧ください。
開会セッションの様子
「アジア太平洋3R白書第2版」の発表
ジャイプール宣言についての議論の様子
閉会セッションの様子
ジャイプール市の廃棄物発電所への視察にて