【ローカルSDGs】UNCRD一般公開セミナー「ジェンダー平等を考える -わたし“らしさ”のカタチ-」(2025年10月23日 愛知県名古屋市)

2025/10/23
愛知県名古屋市

国際連合地域開発センター(UNCRD)では、持続可能な開発目標(SDGs)についての理解を深め、地域における取組みについて共に考えることを目的として、SDGsに関する一般公開セミナーを開催しています。9回目となる今回は、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」をテーマに開催しました。

はじめに、UNCRD所長の村田重雄から開会の挨拶が行われました。挨拶の中では、SDGsはその目標年まで残り5年となり、いわば「終盤戦」に突入した一方で、2025年7月に国連から発表された「持続可能な開発目標(SDGs)報告2025」によるとSDGsのターゲットのうち順調に推移しているものはわずか18%であり、SDGs達成に向けた取組みを飛躍的に加速させることが求められる現状を紹介すると共に、「ジェンダー平等」は単にゴール5であることに留まらず、SDGsのあらゆる目標の達成に深く関わる横断的な課題であり、SDGs全体の達成に不可欠な要素であることを述べました。続いて、UNCRD研究員の荒井滋規からSDGs全体およびゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」に関する概要と現況が示され、さらに国連機関の報告書を引用しながら「ジェンダーバイアス」の重要性についての説明が行われました。

その後、事例発表が行われ、はじめに、ジャーナリストの山本恵子氏が登壇し、日本におけるジェンダー・男女共同参画に関する現状について説明しました。続いて、在日カナダ大使館政治・経済部二等書記官のキラシャンドラ・ラシード氏が登壇し、カナダにおけるジェンダー平等の現状や取組みについて発表しました。次に、名古屋大学大学国際開発研究科教授の伊東早苗氏が登壇し、ジェンダー平等に関する開発途上国での事例について紹介しました。加えて、東京都江東区長の大久保朋果氏が登壇し、ジェンダー平等の実現に向けた江東区の取組み等について発表しました。最後に、一般社団法人チェンジングメン共同代表の伊藤公雄氏が登壇し、ジェンダー平等と「男性問題」に関する事例について発表しました。

事例発表に続いて行われたパネルディスカッションでは、山本氏が進行を務め、ラシード氏、伊東氏、大久保氏、伊藤氏がパネリストとして登壇しました。日本における「ジェンダー平等」を取り巻く現状や課題、「ジェンダー平等」の達成に向けた取組みの方向性について、女性側のみではなく男性側からの視点、そして、国内外からの幅広い視点での活発な議論が行われました。また、パネルディスカッション後半には、参加者から具体的な職場での取組み事例に関する質問などが寄せられ、議論がさらに深まりました。

セミナーには約50名が参加しました。参加者の「ジェンダー平等」に関する関心や熱意も高く、終了後は登壇者と参加者との交流が行われるなど、たいへん充実したセミナーとなりました。UNCRDは、引き続き、国内外の様々なプレーヤーやステークホルダーとの連携を拡大し、国内外のSDGs推進に貢献していきます。