国際連合地域開発センター(UNCRD)は、「2023年国連水会議開催記念シンポジウム」を、外務省、国土交通省、オランダ政府、国際連合広報センター(UNIC)、政策研究大学院大学とともにハイブリット形式(東京・オンライン)で開催しました。シンポジウムは、2023年3月22日-24日にニューヨーク国連本部で開催された「2023年国連水会議 (UN 2023 Water Conference)」での主な議論や成果を日本国内で共有することを目的に、対面とオンラインあわせて15カ国166名の参加者を得て開催されました。
2023年国連水会議では、全体会合と5つのインタラクティブ対話において、包摂的かつ部門横断的な議論が行われました。今後は、「水行動アジェンダ」のフォローアップを通じて、「水の国際行動の10年」の後半における世界の水関連のゴールとターゲットの達成に向けた行動が推進されることが期待されています。 日本においても、気候変動の影響による水関連災害の頻発、水不足等の深刻な水問題を抱えており、世界の状況および国連における議論を踏まえて解決に取り組むことが重要であることから、今回のシンポジウムを開催することとなりました。
シンポジウム前半は、ペーター・ファン・デル・フリート駐日オランダ王国大使、原圭一外務省大臣官房審議官、根本かおる国際連合広報センター所長、2023年国連水会議の事務局を務めた国際連合経済社会局のアムソン・シバナ氏の挨拶に続き、実際に2023年国連水会議に参加した参加者らから会議の主要な成果が共有されました。2023年国連水会議のインタラクティブ対話3「気候、レジリエンス(強靭性)、環境のための水」において共同議場を務めた上川陽子2023年国連水会議日本国総理特使・衆議院議員からは、会合内で発表された提言やメッセージが共有されました。同じく国連水会議に参加した大西一史熊本市長からは、会議での経験や会議で発表した熊本市の取り組みなどが紹介されました。
シンポジウム後半では、パネルディスカッション「水とローカルSDGs ― 持続可能な都市の実現に向けて」が廣木謙三政策研究大学院大学教授 /水と災害に関するハイレベルパネル コーディネーターのモデレートで行われ、地域レベルでSDGsを達成するための様々な取り組みが紹介されました。パネリストには、沖理子宇宙航空研究開発機構地球観測センター長、加藤篤NPO法人日本トイレ研究所代表理事、寒川博之メタウォーター株式会社海外営業部長 / 水インフラ国際展開タスクフォース リーダー、古澤礼太中部大学准教授/中部ESD拠点事務局長、山田朋人北海道大学大学院工学研究院教授が登壇しました。登壇者らはそれぞれが関連するすべてのSDGsを達成する方法について説明し、特にパートナーシップとデータの適切な活用の重要性を強調しました。パネルディスカッション終了後、ヘリ・アフマディ駐日インドネシア特命全権大使より、今後の世界的な水イベントの一つとして、2024年5月に開催される「第10回世界水フォーラム」の準備状況について紹介されました。
シンポジウムの閉会の挨拶では、UNCRD所長の遠藤和重が、本シンポジウムが世界の水問題の解決に向けた取り組みを加速させる機会となることを期待すると述べ締めくくりました。
今後、発表資料やスピーチ、レポートを準備が整い次第、アップする予定です。
概要・チラシ
- 概要(6月10日現在)
- Concept Note and Provisional Programme in English (As of 10 June 2023)
- チラシ
レポート
スピーチ・発表資料
開会挨拶
-- 李 军华(Li Junhua) 国際連合経済社会問題担当事務次長
-- ペーター・ファン・デル・フリート 駐日オランダ王国大使
-- 原 圭一 外務省大臣官房審議官 (日本語・英語)
-- 根本 かおる 国際連合広報センター所長 (日本語)
2023年国連水会議での議論と成果について
司会による国連水会議の全体概要紹介
横田 妙子 国際連合地域開発センター 災害リスク軽減と水に関するプログラム専門家 (日本語・英語)
スピーカー
-- インタラクティブ対話3「気候、レジリエンス(強靭性)、環境のための水」
上川 陽子 2023年国連水会議日本国総理特使・衆議院議員
-- 「水行動アジェンダ」と今後のフォローアップ
ニルス・フランデレン オランダ インフラストラクチャー・水管理省 国際水問題コーディネーター
-- 熊本市の「健全な水循環」と「流域治水」の取組 新たな水文化の創造
大西 一史 熊本市長 (日本語・英語)
-- 熊本水イニシアティブ
時岡 利和 国土交通省水管理・国土保全局 国際河川技術調整官 (日本語・英語
パネルディスカッション「水とローカルSDGs ― 持続可能な都市の実現に向けて」
モデレーター
廣木 謙三 政策研究大学院大学教授 /水と災害に関するハイレベルパネルコーディネーター (日本語・英語)
パネリスト
-- 沖 理子 宇宙航空研究開発機構地球観測センター長
-- 加藤 篤 NPO法人日本トイレ研究所代表理事
-- 寒川 博之 メタウォーター株式会社海外営業部長 / 水インフラ国際展開タスクフォース リーダー
-- 古澤 礼太 中部大学准教授、中部ESD拠点事務局長
-- 山田 朋人 北海道大学大学院工学研究院教授
インドネシアでの第10回世界水フォーラムの開催に向けて
ヘリ・アフマディ駐日インドネシア共和国特命全権大使
閉会挨拶
遠藤 和重 国際連合地域開発センター所長 (日本語)