国際連合地域開発センター(UNCRD)は、インドネシア・バリで開催された第10回世界水フォーラム (2024年5月18日~25日) に参加しました。UNCRDは本フォームのサイドイベントとして、「アジア・太平洋地域におけるスマートでレジリエントな都市づくり国際ワークショップ:地方自治体の役割」を、都市・自治体連合アジア太平洋支部(UCLG-ASPAC)と共催しました。本ワークショップは、日本国国土交通省の協力を得て、2024年5月21日と23日の2日に分けて開催され、アジア・太平洋地域7か国から 21名の市長・知事(副市長・副知事含む)を含む80名が参加しました。
オープニングセッションでは、インドネシア政府公共事業・住宅省人間居住局長 ダイアナ・クスマストゥティ氏、JICA理事の川村謙一氏、UNCRD所長の遠藤和重、国土交通省海外プロジェクト審議官の小野寺誠一氏(ビデオメッセージ)、インドネシア土地空間計画省土地空間調査地図局長のヴィルゴ・エレスタ・ジャヤ氏からご挨拶を頂きました。また、UCLGからは、自治体を代表して、UCLG会長/トルコ・コンヤ市長のウール・イブラーヒム・アルタイ氏、UCLG-ASPAC会長/キリノ州知事/フィリピン地方自治体連合会長のダキラ・カルロ・キュラ氏からもご挨拶頂きました。
本ワークショップのプログラムは、水と衛生、水関連災害リスク軽減を中心に、「スマートでレジリエントな都市とコミュニティの構築に関する導入セッション:政策立案者と計画者の役割」「水の安全保障と繁栄を背景としたスマートでレジリエントな都市のための統合的都市開発アプローチ」「レジリエントな都市とコミュニティを構築するための災害リスク軽減と管理」「持続可能な衛生と水のファイナンスと透明性のあるガバナンス」「ローカルSDGs」の5つのセッションとグループ演習で構成されています。
国土交通省総合政策局国際政策課長補佐の辰島詩季子氏からは、日本のおけるスマートシティの取組みや日ASEAN相互協力によるスマートシティ支援策”Smart JAMP”を通じたASEANの事例、ASEAN Smart City Planning Guidebook等について発表頂きました。また日本からは、熊本市長の大西一史氏、滋賀県理事員の三和伸彦氏、名古屋元副市長で名古屋市立大学教授の山田雅夫氏、JICA国際協力専門員/東京大学客員教授の石渡幹夫氏が登壇しました。さらに、豊田市はFracta Japan株式会社と天地人株式会社と共に、水道DX連携事例を紹介したほか、日本工営株式会社、パシフィックコンサルタンツ株式会社が自社の技術やソリューションを紹介し、参加市長らとネットワークを構築した。本ワークショップを通じて、共通の水課題について議論し、未来に向けたビジョンを共有しました。特に、水と安全や衛生、水害リスク軽減のため、デジタル技術や解決策を取り入れるための政策立案や計画の重要性が再認識されました。また、日本を含む各国からの事例紹介や専門家の発表、グループ演習を通じて得られた知見や経験は、今後のスマートでレジリエントな都市づくりに役立つことが期待されます。プログラムや詳細はイベントページ(英語)をご参照ください。
また、5月22日には、第10回世界水フォーラムにおいて地方・地域自治体会議が開催され、本ワークショップ参加市長らが出席、UNCRDは熊本市長や滋賀県理事員の登壇をサポートしました。熊本市長の大西一史氏は世界の水問題解決における地下水保全の重要性を訴え、滋賀県理事員の三和伸彦氏は「世界湖沼デー」制定の意義を強調し、国際連携が呼びかけられました。